『投資日和』(2)

戦火はあるのか?

日本投資助言株式会社のホームページがようやく形を整え、yahoo他の検索エンジンで検索しても上位に登場するようになりました。
数週間前に、刷り上がったばかりの新しい名刺を差し上げた方から
「御社のページを検索してみたら、まだ古いデータのサイトしか見つからないけど」とのご連絡をいただき慌てましたが、まずはホッとしました。

閑話休題。

コロナも一息つき、東京の夜もにぎわいを取り戻しつつあります。
そんな中、現在は証券やFX業界で働いている旧友たちとの久しぶりの会食で、「仮に台湾で軍事衝突が起きるとしたたらいつ頃か?」、
「米国の対中政策がさらなる火種を呼ぶ可能性は?」、「いざという時、日本株は?」「中国株は?」という話題になりました。

12月15日に中国の習近平国家主席と、これも現在ウクライナという火種を抱えているロシアのプーチン大統領が「外部勢力がいかなる口実でも、地域の内政に干渉することは決して許さない」ことで合意したというニュースを受けての話です。

内心、戦争を知らずに育った私たちが語るには難しい話題だなと思いましたが、何しろ隣国台湾の話。
筆者自身も日本が再び戦争の当事者になる可能性があると思っただけでヒヤリとしたニュースではあったので、つい話し込んでしまいました。

結論から言うと当然ながら誰も答は出せず、とりあえず以下のようなところで打ち止めになりました。

①衝突するかどうかも含めて、時期については「基本は外交次第。アメリカ他数か国が北京オリンピックはボイコットすると決めたが、それでも選手は派遣するといういわゆる外交ボイコットであり全面ボイコットではない。中国のメンツは立つから中国も動かない。しばらくはこのまま膠着。だが台湾を囲む形で中国が今後も東シナ海や日本海に進出し続ければ、一触即発の状況は常に続くことになる。要は共産党の台湾への思い入れ次第」と願望を込めての「先延ばし」というところで一致。「ただし、相場は、匂いだけで動くから来年こそ中国から目が離せなくなる」とも。

(参照:防衛庁資料pdf.「中国の海洋進出」令和3年9月)

②日本株については、「隣国で戦火が上がれば、国内株は基本的に下落。ただし、中には上げる株もあるはずで、今すぐからでもリサーチが必要。戦火が上がらなくても、株は匂いだけでも動くから、知恵を絞って物色すること」。

③中国株については、「ネズミは沈没する船から一番先に逃げ出す。例えば香港のハンセン株価指数は、今年2月には30,000を超えていたのに、11月末には24,000を割れた。10か月で6,000も下げたのは投資家が中国を見切って逃げ始めたからだろう。米国市場の中国企業株も含めて中国株には当面手を出さないこと」

*ちなみに12月17日現在、ハンセンは23,190。わずか半月でさらに800近くも下がっています。

(チャート1「香港ハンセン株価指数」提供:SBI証券)

④米国の対中政策の行方については、少し長くなりますが、東西冷戦当時のもう一つの大国ソヴィエト連邦に対するものと似ているという話が面白かったので、それをまとめておきます。

「モノやカネで経済的に締め付けて、地域の分断、弱体化を図るのはアメリカの常套戦略。冷戦時代のソ連は文字通り米国と並ぶ大国であり、世界第2位の金産出国でもあった。1980年には金保有量も1800トンと突出していたが、レーガン大統領が就任(81年)してすぐ、アメリカが金利を14%にまで一気に引き上げたため、金価格が79年の600ドルから300ドルにまで暴落してしまった。
(チャート2「NY金価格推移」提供:https://www.kabutore.biz/

「軍拡や宇宙開発で米国と張り合って財政が厳しかったソ連にとって、頼みの金の価格急落は衝撃的だったろう。事実、それでも金を売ってやりくりしていた結果、冷戦が終了した91年の翌年にはソ連の金保有量は240トンにまで減っていたという記録がある。

「アメリカも、プラザ合意でドルを切り下げて苦しい目を見たが、ソ連はもっと苦しんだ。その結果、ゴルバチョフが白旗を上げて、東西冷戦に終止符を打った。1991年12月26日には、ロシアを含む12か国が独立して、米国に並ぶ絶対的な大国は消滅したわけだ。

「強いアメリカ、強いドルを目指すレーガノミックスは失敗もあったが、その後、ドルが基軸通貨となり、より多くの国々がドルを買うことになったおかげで、ドルを大量に刷っても極端なインフレにはならない経済を作り上げたことになる。その地位を脅かす「強国」は目障りだろうから『強国』と自称する中国に対するバイデン大統領にも引き継がれている。その意味で、今後も中国、ロシアたたきは続くだろう」

上記③④の年号や数字は後日筆者が確認した上でまとめましたが、いずれにせよ、隣国で紛争が勃発するとなれば、平和ボケ、コロナボケしてしまった私たちでさえ直接巻き込まれることになるのは想像に難くありません。できれば外交での解決を望みたいところですが、習主席の任期が共産党の引退年齢の規則を曲げてまで2027年にまで延びるようで、実現すれば両国の緊張はまだまだ続きます。

筆者もその危機感を頭において、新たな1年を過ごしたいと思っています。皆様も良いお年をお迎えください。

益永 研(2021年12月24日記)

 

(資料)

防衛庁資料pdf.「中国の海洋進出」令和3年9月)

https://www.mod.go.jp/j/approach/surround/pdf/ch_d-act_a.pdf

 

チャート1. 香港ハンセン株価指数推移(2021年1月~12月18日)

提供:SBI証券

 

チャート2.NY金価格推移(1969~2021)

提供:https://www.kabutore.biz/

 

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